光があれば影もある…スニーカー市場から惜しくも姿を消したスニーカー達。
こんにちは。元靴屋店員です。以前日本の市場から姿を消しつつあるスニーカーをご紹介しましたが、今回は完全に消滅してしまったスニーカーを5つまとめてみました。
今なおスニーカーという靴は人気ですが、幅広い展開をする「コンバース」「プーマ」、ブランド価値が高く上質なイメージがある「アディダス」、どの様な層にも高い人気を得ている「ナイキ」「ニューバランス」と、人気のスニーカーブランドは固定されてつつあります。
上記のモデルが光りだとすると、それらのブランドとの競争に勝てなかった影の部分、残念ながらなくなっていたブランドやモデルも当然存在します。
今回はそんな闇の部分にスポットライトを当ててみました。ネットや雑誌を使い調べましたが、調べきれていない部分があるかもしれないので、予めご了承下さい。
いつ自分が推しているブランドが市場から姿を消すか分かりません。好きなスニーカーは推せる時に推しましょう!!
東のキャンバススニーカーは二度姿を消す…「ケッズ・プロケッズ」
(引用:PRO-Keds Classic ROYAL PLUS(プロケッズ クラシック …)
アメリカで「西のコンバース・東のコンバース」と呼ばれる程高い人気を誇るケッズとプロケッズ。ケッズをプロ仕様にしたのが「プロケッズ」です。
ケッズは1916年に設立した歴史あるブランドで、コンバースとは違ったクラシカルな表情とヴィンテージ感あるロゴが特徴的なブランドといえます。
日本でも1970年代に高い人気を誇りましたが、ハイテクスニーカーの台頭により人気は下降線をたどり姿を消しました。
その後スニーカーブームが文化の様になってきて、ローテクスニーカーが人気を回復してきてもケッズの人気が完全に戻る事なく、知る人ぞ知るレアなスニーカーの扱いに。
しかし、ケッズおよびプロケッズは2015年1月9日にジーフットと契約(サブライセンス契約)を締結。
株式会社ジーフット(東京本部:東京都中央区新川、代表取締役社長:神谷和秀)は、このたびウルバリン・ワールド・ワイド社が保有する「Keds」ブランドの日本国内ライセンシーから、「Keds」ブランドの靴の製造・販売における日本国内サブライセンス契約に合意し、同ブランドのサブライセンスを取得、靴業界での国内正規代理店として、独占販売することとなりました。(引用:http://www.g-foot.co.jp/file.jsp?id=7246)
ですが2020年頃から安売りが始まり、2021年夏ごろには店頭からケッズ・およびプロケッズは完全に姿を消しました。
店員さんにお話を聞いてみると、契約が終了し在庫の処分をしているとの事。
また、若干キャンバスモデルは違う店に残っている等、処分に困っている事から、そもそも日本でケッズ・プロケッズの販売は向いていないのかもしれません。
現在はアメリカから並行輸入しているモデルを探して購入するしかない様です。
高品質・高い汎用性!なぜ刺さらなかった「ゴライアス」
(引用:ゴライアス ローカット スニーカー メンズ アステン クッション性 カジュアル …)
オランダ発のスポーツブランド「ゴライアス」。チヨダ系列を中心に販売を展開しておりましたが、チヨダの安売りコーナーで2000円のワゴンに入っていた事に驚愕。
ネット上で在庫の処分が始まっている事や店頭から完全に姿を消した事や各種SNSを見なくなった事から撤退したと思われます。
ゴライアスはクリケットシューズをおしゃれなスタイルで販売した事で注目を集めました。
デザインは至ってシンプルながら、細身に見えるシルエットとアイコンのラインがかっこいいスニーカーです。
幅広く対応できるスタイルと海外ブランド特有のスタイリッシュさがあるスニーカーで、サイズ感は結構大きめでした。
ただ、気軽に履ける様なスニーカーというよりはメンズのカジュアルシューズの様な位置づけで、価格もそこまで安くなく微妙な立ち位置だったといえます。
初期投入の頃はそこまで売れ行きは悪くなかったのですが、コスパ面はそこまで良くなかったですし変わりになれるスニーカーはあったので、長く人気は続きませんでした。
キャンバスシューズの新たな人気ブランドになると思ったのでけど…「PFフライヤーズ」
(引用:在庫限り PF FLYERS(PFフライヤーズ) ALL AMERICAN HI…)
1950年代~60年代のアメリカではコンバースと並ぶ程高い人気を誇っていたブランド「PFフライヤーズ」。
1960年代後半から人気に陰りが見え始め1972年に元会社である「B.Fグッドリッチ社」がフットウエア部門を手放しました。
その後コンバースがPFを買収しましたが、独占禁止法に抵触しニューバランスが2001年に買収するまでの約25年もの間、転売を経て休眠状態に。
日本で本格的な投入がされたのはいつだったのか定かではないのですが、恐らく2011年~2012年ぐらいだっと思います。
PFフライヤーズのスニーカーは他とは違うカラー配色・スタイルの良さがあるキャンバススニーカーで、ニューバランスの宣伝効果もあり投入当時はそれなりに売り上げを伸ばしました。
しかしながら、当時はコンバースオールスター等のキャンバススニーカーが投げ売りされる時代。
PFフライヤーズはその後売り上げを伸ばす事ができずに、2014年に日本から撤退をしています。
多くのファンが復刻を望んでいる!「ナイキ・ターミネーター」
(引用:【11/21 ポイント 5倍!!】 80’s ビンテージ ★ 85年製 NIKE…)
次はスニーカーメーカーの撤退ではなく、ナイキの有名モデルの撤退についてです。
ナイキの王道のバッシュスタイルにヒールに大きくプリントされた「NIKE」のロゴがっこいいスニーカー「ターミネーター」。
ターミネーターは2013年頃から販売店で姿を見る事がなくなりました。
ターミネーターは人気が無かったかと言われれば決してそんな事はなく、ヒールの大きなロゴが気に入っている人も多かったのではいのでしょうか。
ターミネーターが無くなる直前はターミネーター品番ではなく「ビッグナイキ」というターミネーターに似た低価格のモデルが発売されていましたが(入れ替え?)、そちらも販売を終了しています。
(引用:【中古】ナイキ NIKE 2009 Big Nike High PANDA ビッ…)
ターミネーターが発売されたのは1985年。同期には「ダンク」や「エアジョーダン」があった事から昔からそこまで高い注目を集めていた訳ではありません。
ナイキのアイテムは種類はそこそこ作りますが、在庫はそこまで作らない傾向にあり、在庫をメーカーとしてもあまり持ちたがりません。
ですので同期のダンクとジョーダンがあるからターミネーターを切ったのかもしれませんね。そのお陰でターミネーターの中古市場が…
ジャパンブランドで特に注目されたブランド「ドラゴンベアード」
(引用:ドラゴンベアード[DRAGON BEARD]龍 鯉 スポーティースニーカー/DB…)
ドラゴンベアードは2000年に誕生した国内のスニーカーブランドです。日本発のブランドという事で多くのスニーカーファンから大きな注目を浴びました。
靴作りに強いこだわりを持ったブランドで、日本の高い靴作りの技術を駆使し妥協を許さないこだわりを持ったブランドです。
ブランド名にある「ドラゴンベアード」のイメージどおり、龍のヒゲをモチーフにしたアイコンが目を惹くスニーカーで、高い履き心地や細やかなデザイン性から多くのユーザーから支持を集めました。
しかしながら、ドラゴンベアードを展開していた事業「チャンス」が2020年5月にコロナウイルスの影響で民事再生法の提供を申請。ドラゴンベアードは消滅してしまいました。
コロナの影響もありますが、2017年をピークに2019年頃からドラゴンベアードを取り扱う会社は経営難が続いていました。
ドラゴンベアードだけのせいではありませんが、少なからずドラゴンベアードの人気低下も関係していると思われます。
根強いファンがいる事から今後復活する可能性はあるとは思いますが、今後の事は調べた感じだと不透明です。ABCマート辺りが買収しそう(小並感)
今のスニーカー市場で競争に勝つのは至難の業といえる
ここでは日本の市場から姿を消してしまったスニーカーとブランドを5つご紹介しました。ドラゴンベアードは根強いファンが多いので今後復活するのではないのかと思います。
ただ他のブランドはかなり微妙なところ。ナイキターミネーターはまだ需要がありそうですが、一貫して復活する素振りはないですし、他のブランドはかなり厳しい状況ではいのでしょうか。
どれも良いブランドで質も悪くないのですが、幅があるコンバースやアディダス等のメーカーがあれば、大抵は自分の個性に合わせた選び方が可能なので、必要性がそこまであるわけではありません。
また歴史あるブランドと肩を並べる事は本当に至難の業といえます。歴史が浅いモデルで対等しているのはキーンぐらいかなと。
今後どのようなスニーカーが流行るかは楽しみではありますが、姿を消していく事可能性も大いにあります。推しているスニーカーがあるなら、推せる時に推しましょう!