こんにちは、元靴屋店員です。ストリートを中心にタウンでも長く支持され、今なお進化を続けプーマのコレクションの中で最も人気が高い「スウェード」。
そのスウェードを語る上で欠かせないモデルといえば「クライド」ではないのでしょうか。
プーマは創立75周年ということで、人気のスウェードを始め、使いやすいバスケットクラシック等様々な定番モデルが75周年記念モデルが発売されています。
これは「クライド」も75周年記念で復刻か?と思いきや、、、
クライドがリリースされたのは”1973年”ということで、50周年を迎えたこともあり、75周年とは関係なく多くのクライドが発売されました。
そこで今回は、プーマのスニーカーのコレクションの中でキーとなっているスニーカー「クライド」の復刻モデルを購入し実際に履いてみました。
元靴屋店員の私がクライドのレビューをしていこうと思います。
なぜクライドを購入した?
実はちゃんとしたプーマのスニーカーは初めてでして…。
その初めてを「クライド」に捧げたわけですが!
クライドはプーマのスニーカーコレクションの中で最も人気の「スウェードの基になったモデル」であり、
「スウェードの前身であるモデルを基にバスケット仕様に作られた、後継モデル」でもあり、
なので、プーマのコレクションの歴史の中で最も特別感が強いスニーカーなのです!
プーマ公式もプレミアム感があるのか、復刻もそこまで多くないですし…。
そして!なんとクライドがリリースされてから50周年ということで、これはこの特別な年に買うしかないな!という事で購入に踏み切りました。
いつもリサイクショップでスニーカー買ってる私が、なんと14,300円も出して!そんなプーマの特別な50周年を迎えたクライドをレビューしていきます!
ここでは「ルックス」「履き心地」の2つの観点から商品レビューしていきます!
伝統を引き継ぐルックスとカジュアルともスタイリッシュともいえるスタイル
プーマのスニーカーコレクションを代表する「スウェード」の基になったプレミアム感ある「クライド」。
ルックスの第一印象は無駄がないスタイリッシュだなという印象と、プーマが築いてきた「らしい」スタイルだなという感じでした。
プーマ独特の縦幅が大きく非常に細身に見えるルックスで、クラウドは少し横幅もあるような印象も。
[履くと顔色が変わる]
ですが、履いてみたら先ほどの印象とは違うくて、かなり縦幅が大きく見え、横幅も思ったよりも広い。
サイズ感も極端に狭いプーマのスニーカーよりは少し広い感じがしますが、いつも通り縦幅は大きめ。
パトリックやモーブスぐらい細長ではありませんが、それらのスニーカーと同等程度のスタイリッシュさはあります。
[スタイリッシュな一面]
スタイリッシュな印象を引き立てているのが、プーマのスニーカーを象徴するサイドに採用された「フォームストライプ」。
画像でしか比べていないので確かな情報ではないのですが、クライドの方が少しコンパクトにまとめられ魅力的な曲線美となっているのではないのでしょうか。
また、このアッパー素材の質感。
毛足が短いスエード素材で幅広く使えるだけではなく、プーマ・ストライプの曲線美と相まって上品なかっこよさを演出しています。
[カジュアルな一面]
スタイリッシュではあるのですが、金箔と型押しの「PUMA Clyde」のブランドロゴが非常に良いポイントとなっていてカジュアルな一面も。
プーマらしさある伝統的なスタイルですが、絶妙な縦幅と横幅のバランスはプーマのルックスの進化を感じる事ができ、現代のストリートでも通用するカジュアルさも持ち合わせています。
[少し紐をきつく縛って]
タウンシューズは着脱しやすいように紐を緩く縛る傾向がありますが、クライドは縦長に見えるようにきつく縛る事をおすすめ。
ストリート系の様に緩く幅広に魅せるのも良いのですが、個人的にはシンプルなスタイルと洗礼されたルックスを生かして、細長に魅せる方が良いかなと。
[細部の評価]
ポイントとなっている金箔と型押しの「PUMA Clyde」のブランドロゴは勿論、ソールがキナリっぽいカラーになっていて、ビンテージ感があり良き。
紐は替えの紐が付いていて、基本シンプルなルックスなのでかなり印象が変わります。紐は太い紐なで、ストリート系にもよく映える。
細部の観点までみたら「若干カジュアル寄り」なスニーカーではないのでしょうか。
クセがない様に見えてクセのある履き心地。
次に履き心地について。
アッパーは「Leather Working Group」に認定された、環境へ配慮した革を使っていますが、匂いは質が良い硬式グローブやレッドウィング等のブーツのがっちりとした革。
実際に履いてみて歩いてみましたが、アッパーの伸びは良く一日でかなり馴染み、伸びてくれました。
それでもしっかり革の硬さを残していて、個人的には14,300円で購入できる革の質感とは思えないほどの素材の良さ。
[履き口と独特な靴内の構造]
一方で履き口は狭く硬いので履く時に少し苦労します。ですが、履いた後かかと部は割とゆったりとしててそれなりに自由がありつつも、狭く硬い履き口でしっかりフィットするような感じです。
クセのない見た目ですが、履き心地は非常に独特。それは靴内の構造が独特だからかなと感じました。
かかとにはそれなり余裕がある一方で、土踏まず辺りが少しせりあがっていて、足の中腹辺りはギュッとタイトな感じがします。
[足へのフィット感]
横幅は狭く縦幅が大きいというプーマ独特のサイズ感なので、そこまで足幅が広いわけはない私でも若干の窮屈感を感じました。
先ほど、良く馴染伸びるアッパーの革素材と申し上げましたが、直接足に当たるのは裏地(ライニング)です。
ライニングの馴染はそこまで良くなく、アッパーの革が足の形になっていく時間よりもライニングに慣れるまで時間が掛かりそう。
[クッション性とグリップ性]
何日か履いてみましたが、スニーカーの中ではクッション性はまだ良い方で、グリップ性も良く、変な突き上げがないから構造に足が慣れてしまえばクセのない自然な履き心地です。
独特な履き心地ですが慣れればむしろ調子よく歩く事ができます。
しかしこの履き心地が嫌なら、付属しているカップインソールを普通のインソールに替えれば軽減するかもしれません。
サイズ感は、幅が狭い人は普段のスニーカーよりも小さめで、革靴等のサイズと同等で良いのではないのでしょうか。
少しでも幅が広く甲高であれば、コンバースのオールスターやナイキなどのサイズ感小さめのサイズと同等。又はサイズ感が大きめの靴より0.5-1.0cmアップがおすすめ。
革素材なので、幅が広くても伸びてきますので、極端にサイズを上げる必要はないのでは良いかと。
気になったポイント
少し気になったポイントが3つほどあったのでご紹介。
①アッパーとソールの間で接着のムラを感じる…そのまま眺めていたり普通に履いていたりしているとそこまで気にならないが、履いて気に入ってチラチラ見てたら割と気になる
②初期の紐の通しが個人的に好みではない…一番の下だけ下から上に通っていて、かなりだらしない。
紐は外側に抜ける紐を上に通すのがまとまりが良くおすすめです。またベロを固定するポケットも初期は通っていないので、「内側に抜ける下側の紐だけ」通すことをおすすめ。
③防水スプレーはいけるのか?…スエードアッパーで気になるのは「汚れ」ではないのでしょうか。
水だけではなく、汚れも弾くことができる便利なアイテム「防水スプレー」ですが、スエードの素材によってはスプレーの跡が残りスプレーをかけるのが難しいモデルがあります。
ですので、目立たない場所で一度試し、、、
大丈夫でしたので靴全体に噴きかけました。履く20分前ぐらいまでに掛けないと逆に汚れを呼び寄せてしまうので注意です。
また、基本的に靴屋さんで売っている防水スプレー以外は推奨できません。ちなみに私はシュープラザのこちらを愛用↓
サイズ感とルックスまとめ
・シンプルでスタイリッシュな印象だが、細部まで見ていくとカジュアル寄りなモデル。
・リサイクルアッパーながら味のあるモデルで、さらにシンプルなスタイルでもある為経年劣化も楽しめる。
・そこまでクッション性が良いとは言えないが、クッション性はスニーカーの中ではまだ良い方。
・靴内の構造とインソールで履き心地の機能性を高めている独特なクセのある履き心地であるが、慣れればかなり履きやすい。
・サイズ感は横幅が狭く縦幅が大きいプーマ独特のサイズ感だが、プーマのスニーカーの中ではまだ横幅はある方。せまいモデルはもっと極端にせまい。
・通常のスニーカーと同等のサイズ感。幅が狭い人は大きく感じるかも。
・フィット感は革アッパーの中では良く伸びる方だが、裏地(ライニング)の馴染がそこまで良くないので少し時間がいるが、履けば履くほど自分の足に馴染む。
長く履いて真価が分かる靴です。独特な構造に慣れないのであれば、インソールが取り外し可能なのでインソールの交換をおすすめします。