こんにちは。元靴屋店員です。長らく続くスニーカーブームによりスニーカーは多様性を極め、スニーカーが身近になり「文化」になりつつある今日この頃。
市場には多くのスニーカーが出回っているのは周知の事実です。
歴史ある永久定番「コンバース・オールスター」、クラシカルランニングの火付け役「ニューバランス・996」、どの時代にもどの層にも高い支持を得ている「プーマ・スウェード」、高い清潔感を持つギネススニーカー「アディダス・スタンスミス」等々。
煌びやかなスニーカーが並ぶ一方で、今現在その煌びやかな市場から姿を消しつつあるスニーカーがある事をご存知だろうか。
そこで今回は、現在姿を消しつつあるスニーカーのブランドを3つご紹介します。是非気になったら購入を検討してみてはいかがでしょうか?
コスパ抜群!なのに姿を消しつつある…「アドミラル」
(引用:【ブラックフライデー】 アドミラル スニーカー メンズ レディース イノマー A…)
アドミラルは100年以上の歴史を持つイギリスのスポーツメーカーです。日本では双日ジーエムシー株式会社が代理店を勤めています。
アドミラルのロゴは海軍提督の袖章であり、始まりはイギリス海軍の制服の製造と提供をしている会社でした。アドミラルはその後スポーツの分野にも進出し、スニーカーの販売も開始したのです。
アドミラルのスニニーカーは、他のスポーツブランドでは見る事ができないスタイリッシュさとクラシックさを持ち合わせたモデルを展開。
尚且つシンプルなデザインを採用していたので、様々なコーデにもしっかり対応。革素材を使ったスニーカーにおいても一万円を切るモデルがあり、コスパ面も最高でした。
さらに男性が履くとかっこよく見え、女性が履くと可愛らしく見えるという不思議なスタイルだったのも支持された理由の一つではないのでしょうか。
しかしながらアドミラル公式オンラインショップは2021年8月31日をもって終了し、その後販売を継続していたゾゾタウンのショップも2021年11月19日をもって閉店。
(引用:https://admiralfootwear-store.com/closed.html)
アドミラルのスポーツ部門での国内販売はまだ続いていますが、フットウエア事業はほぼ撤退状態にあり、2021年11月20日現在、国内のスニーカーの在庫は売り切って終了状態となっています。
[なぜうまくいかなかったのか?]
アドミラルが上手くいかなかった要因としては、、、
サイズ感が1.0cm刻みであった事
イノマー以外のモデルが全滅状態だった
といった点が上げられます。
サイズ感については、アドミラルは本当に難しく、小さめのサイズ感なのに展開サイズが1.0cm刻みなので気に入ったとしても履けないという人もいたのではないのでしょうか。
またアドミラルの定番モデルは「イノマー」というモデルで、デザイン・コスパ面共にレベルが高かったのですが、他のモデルは正直かなり微妙なラインでした。
近年は高額モデルも展開しておりましたが、アドミラルの良さがあるか?といわれれば微妙でしたし、評価を得られる事も少なかったのでは?とも感じます。
少し前までは高根の花!だったはずが…「グラビス」
(引用:【gravis】 グラビス KONA JP CAMO コナ ジェーピーカモ 05…)
冬のアクティブスポーツで有名なブランド「バートン」から派生したスニーカーのブランド「グラビス」。
バートンが、スケボー・スノーボード後に履けるリラックススニーカーをテーマに展開されたブランドで、バートンのブランド価値の高さから多くのスニーカー好きから高い注目を集めていました。
バートンがグラビスを立ち上げたのは1998年と比較的新しく、グラビスのスニーカーはおしゃれなスポーツ店(ム〇サキスポーツ)を中心に展開。
販売店を意図的に絞っていた?事もあり、グラビスのブランド価値は非常に高く保たれていました。
しかしながら、グラビスはいつの間にかスポーツ店どころから靴屋でも見る事がなくなり…今現在はABCマートを中心にグラビスのスニーカーは展開されております。
国内の販売はバートンジャパンがしていると思いきや…
(引用:https://www.gravisfootwear.com/privacy)
画像を見ての通り、「グラビスジャパン」として、ABCマート内に会社を構えております。
[なぜグラビスは姿を消しつつあるのか?]
一時期は、グラビスのスニーカーがあるだけで、グッとその店の価値が上がるブランド価値が高いブランドでしたが、実際は大衆にさらされる事が少なかったので、「知る人ぞ知る素晴らしいスニーカー」という位置づけでした。
過去に勤めていた会社でグラビスを扱っていた事がありますが、売れていたか売れていなかったかというと、売れてはいませんでしたから。
従業員だけ盛り上がる良くあるパターンですね。
その後ニューバランスのさらなる台頭やローテク系のモデルが盛り上がりを見せた事で、グラビスの人気はさらに低下。
現在ABCマートで展開をしていますが、セール品扱いやスノトレ扱いのモデルが多く、以前の様なブランドの魅力は見込めず負のスパイラルに陥っていると感じます。
ジャパン発ブランドで注目度抜群だったのだが…「マッドフット!」
(引用:【P10倍&クーポン配布中】MADFOOT!(マッドフット) MAD BREAT…)
マッドフットは2001年東京新宿で誕生したブランドです。創業者は数々のスニーカーショップで多大な活躍をみせた今井タカシ氏。
「世の中を驚かせるようなスニーカーを作りたい」と公言していた様に、マットフットは独創的なスタイルのスニーカーを発売し、多くのスニーカーファンが注目をしていました。
また2010年辺りは独特なハイテクスニーカーやストリート系のスニーカーが盛り上がりを見せていた事、国内ブランドという点も注目される大きなポイントだったのではないのでしょうか。
しかしながらマットフットの勢いは伸びる事なく、イオンが経営する靴屋「ジーフット」が独占して低価格ラインとして販売を開始。
現在はメンズ・レディースの販売はほぼなくなり、キッズ中心の販売となっております。
今後生き残る可能性は…?
光があれば闇もある。ここでは日本のスニーカー市場から消えていくのではないのか?というスニーカーをご紹介しました。
アドミラルはもっとうまくやればもっとできたような気がしますし、だからこそ一時はゾゾタウンで販売をしていたと思うのですが…
残念ながら、このまま国内でアドミラルのスニーカーを見る事はなくなるでしょう。スポーツブランドとしては残っておりますが。
グラビスはABCマートに守られているので恐らく大丈夫だと思うのですが、できれば以前の様にスポーツ店を中心販売してほしいですね。
マッドフットに関しては、時代の流れに乗れなかったという事もありますが、やはり国内発のスニーカーブランドはこうなる運命なのですかね。ドラゴンベアードも辞めちゃいましたし。
バリバリのストリート系のスニーカーを作っていたマッドフットが、まさかキッズスニーカーだけ残るとは思いませんでしたね。
今後もこの様に消えていくスニーカーが増えていくかもしれません。という事で最後に一言。
「推せるスニーカーは今推しとけ」