アメリカのコンバースと日本のコンバースの違いについて。
こんにちは。元靴屋店員です。多くのユーザーから高い評価を受けているスニーカーのブランド「コンバース」。
コンバースのスニーカーは魅力的な定番商品があり、どれもファッションに合いやすく、多くの人から愛されているスニーカーばかりです。
コンバースの人気の定番商品には、、、
長い歴史をもつド定番「オールスター」
スポーツ系スタイルの「シェブロンスター」
コンバースのスニーカーの中でも異彩を放つ「ジャックパーセル」
高級感溢れる「ワンスター」
等の定番モデルがあります。
これらの日本で販売されているモデルは、日本とコンバースの本場アメリカとはモデルやスタイルが異なり、日本のモデルは日本でしか購入できません。
元々コンバースはアメリカのスニーカーなのですが、なぜ日本で売られているコンバースの商品は、日本でしか購入できないか?や、本場アメリカのコンバースと何が違うのか?をご紹介します。
日本のコンバースとアメリカのコンバースは全くの別会社
それはコンバースの商標権が日本とアメリカで全く異なるからです。
日本では、伊藤忠商事(コンバースジャパン)がコンバースの商標権を持ち、アメリカではナイキが商標権をもっています。
つまり日本のコンバースとアメリカのコンバースは全くの別会社であり、日本のコンバースとアメリカのコンバースのスニーカーは所々違いがでてきます。
そして日本のコンバースが日本でしか買えない…という事は、、、、
CT70等のアメリカのコンバースは日本で購入する事はできません。
コンバースは一度倒産している
2001年にコンバースは一度倒産しており、2001年に伊藤忠商事が資本参加した事で、日本でのシューズやアパレルに関する商標権を得ました。
その後ナイキが2003年にアメリカのコンバースを買収した事で、伊藤忠商事とナイキの資本関係は終了しています。
という事で、商標権がアメリカと日本で違うので基本的にはアメリカのコンバースはアメリカを始めとした国々で、日本は日本でしかコンバースのスニーカーは購入できません。
日本のコンバース「オールスター」と海外のコンバース「オールスター」は何が違う?
さて、先ほど日本のコンバースとアメリカのコンバースのスニーカーは違うというお話をしましたが、どの部分が違うのかをご紹介します。コンバースの永久定番であるオールスターを比較していきます。
ラスト…日本で作られたコンバースとアメリカのコンバースはラスト(足の型)が違うので形が異なります。
デザイン性…オリジナルデザインを採用しているので、あて布がされており、サイドにステッチが多くなっています。
ヒールラベル…ヒールについている「パッチ」も日本は「ALL★STAR」でアメリカは「CONVERSE ALL★STAR」と星が3つついています。
アウトソール…アウトソールはアメリカ製の方が約5mm高くなっており、歩きやすくなっています。
またソールのカラーも違いがあり、日本で販売されているモデルは真っ白に対して、アメリカ製はキナリっぽいカラーとなています。
なぜアメリカのコンバースは日本では買えない?
コンバースオールスターは、アメリカがオリジナルモデルとなっており、日本のオールスター等のモデルはオリジナルを基にしたモデルです。
ですのでオリジナルのアメリカのコンバースを購入したい!と思っても、日本ではアメリカで売られているコンバースは、転売以外で購入する事ができません。
なぜアメリカのオリジナルモデルのコンバースは購入できないのでしょうか?
一時期アメリカのコンバースのスニーカーは日本で購入できた
実は2010年ぐらいまではアメリカのコンバースを日本で購入する事ができたのです。
アメリカのオリジナルモデルを日本で購入可能にしていたのが、コンバースの並行輸入を行っていた「ロイヤル」という会社です。
ロイヤルから入荷する靴って、とびっきり良い靴をとんでもなく安く仕入れるので、ロイヤルの商品って本当に大丈夫?なんて言われてた事がありました。
特にロイヤルから入荷してきたコンバースのスニーカーは形も全然違いましたし、これ怪しい商品じゃね…?って思ってたあの頃…買っておけばよかった…
「コンバース訴訟」で日本での購入がほぼ無理ゲー
今もロイヤルは並行輸入のコンバースを店に卸しているのか?答えは「ノー」です。ロイヤルは日本で購入するのが難しい靴を多く輸入していたのですが、やり過ぎた感がありました。
価格もそこそこ安かったし、在庫も今考えれば豊富でしたし。
一方でコンバースジャパンの親会社である伊藤忠商事からすると、あまり良い顔はしないですよね。
そこで伊藤忠商事は、「独占的に所有するコンバースの商標権を侵害しているのではないのか?」とロイヤルを訴えたのです。
ロイヤルとコンバースの商標権を持つ会社で争われた「コンバース訴訟」において、2010年日本のコンバースジャパンが勝訴しました。
そこから規制はさらに強くなり、今ではハワイ等から日本にコンバースのスニーカーを持ち込む際には関税の対象に。
コンバースのスニーカーをハワイなどから2~3足以上日本に持ち込もうとしたら、転売と見なされ「没収される」なんて事もあります。
日本の「オールスター」は気軽に購入できなくなっている。
アメリカと日本のコンバースは全く違う!というお話をしましたが、最後に現在日本で売られているコンバースオールスター(定番)にまつわるお話をします。
コンバースのド定番モデル「オールスター」ですが、ひと昔前は靴屋だけではなくスポーツ店等の量販店でも多く見かける事がありました。
しかし現在は、コンバースオールスターの価値をこれ以上下げない為に、コンバースジャパンは限られた小売店にしかコンバースオールスターを卸さなくなりました。
そして出来たのがコンバースの新ライン「ネクスター」です。
現在コンバースオールスターの通常の定番品は本当に限られたショップでしか購入できません。
ABCマートではオールスターが購入できる
オールスターを購入できる店靴屋の一つが、ABCマートです(以下A社)。
A社は有名な靴ブランドをプライベート商品にしたり、有名なブランドの一部をほぼ独占状態にしたり等…とにかくダイナミックな事をする靴屋です。
ムーンスター(旧月星)時代のコンバースは、A社と関係が良くなかったのですが、「コンバースジャパン」に変わったぐらい(今から約5~8年前ぐらい)からその感じはなくなり…
今では、A社限定のコンバースの商品があったり、コンバースオールスターの定番商品の販売店舗であったりと、どうやら2社の関係は良好な様です。
チヨダ社やジーフットは定番はネクスターだけどスポットはオールスター
シュープラザ等の靴屋を展開するチヨダ社や、アスビーなどを展開するジーフットは、定番はネクスターを扱っており、スポット商品やワンスター等、幅広くコンバースを取り揃えています。
大衆向け・コンバース好き両方を取り込める商品のラインナップになっているので、ファミリーや定番以外のオールスターを見るならシュープラザやアスビーがおすすめです。
しかし、この地区によったり、系列は一緒でも違う靴屋(チヨダ系の靴流通センター等)ではネクスターのみの展開になる場合があります。