1916年に誕生したスニーカーにブランド「Keds」。ケッズは「東のケッズ、西のコンバース」と呼ばれる程アメリカの人気のブランドで、1970年代には日本でも高い人気を獲得しました。
ケッズの語源は、「Kids(子供)」とラテン語の「Peds(足)」を組み合わせた造語と言われており、アメリカの子供達はケッズの靴を履いて育つとも言われております。
スニーカーの老舗ブランドである「ケッズ」は、1970年代に日本で流行しましたが、80年代以降に一度目の撤退。
その後、2015年からイオン系の靴屋「ジーフット」が販売を独占しましたが、2021年春ごろには撤退が確認されました。
2度日本から撤退したケッズですが、ケッズは魅力的なブランドではないのでしょうか?
ここでは、ケッズ・プロケッズのスニーカーの魅力や特徴、そして撤退してしまった理由についてご説明していきます。
ケッズ・プロケッズのスニーカーの特徴と魅力
「東のケッズ、西のコンバース」と呼ばれるほど人気のスニーカーブランド「ケッズ」。ケッズのスニーカーの特徴についてご紹介します。
ケッズは高品質でリーズナブルな価格のスニーカーを提供していた事から「アメリカンキッズはケッズで育つ」と言われる程、子供かた大人まで愛されてきたブランドです。
シンプルで使いやすいスニーカー。アメリカを彷彿とさせるヴィンテージ感があり、スニーカーをつまらなくしません。シンプルながら、アウトソールにラバーを全面に採用しているので高いグリップ性も実現しています。
またシンプルな中でひと際輝くヒールロゴ等、細部にしっかりとポイントをつけているので、「使いやすくかっこいい」を実現しています。
ケッズの様にヴィンテージ感が非常に色濃くでているモデルです。ソールテープに施されている二本の線がポイントとなっており、プロケッズのスニーカーと一目で思わせるインパクトがあります。
ハイカットになればアンクルパッチが採用されているので、より強いヴィンテージ感を楽しむ事が可能です。ケッズ同様、幅広いコーデに対応しながらもかっこよく足元を演出できます。
[ケッズもプロケッズも…]
ケッズ・プロケッズ共にシンプルなスタイルですが、独特のアメリカンなスタイルを採用しているのでカジュアルな一面が強くでています。
また比較的丸いスタイルでもあるので、男性が履くとヴィンテージ感あるかっこよさに、女性が履くとクラシカルなかわいさにと、男女で顔立ちが変わるのもケッズ・プロケッズの魅力の一つではないのでしょうか。
ケッズ・プロケッズの違いは?
1916年に創業されて以来ケッズは、テニス・サッカー等のスポーツシューズやタウンシューズを手掛けてきました。
プロケッズが誕生したのは1949年。ケッズのプロ仕様のバスケットボールシューズとしてプロケッズが誕生しました。
NBAへの供給も行われ、当時バスケットシューズであったコンバースとの競争が始まります。
現在のプロケッズのスニーカーは、ソールテープに二本の線が入っており機能的なインソールを採用。ケッズのスニーカーは、シンプルなデザインを採用し、アウトソール全体にラバーが採用されています。
ちなみに本国でプロケッズは1980年代に生産が終了しています。
スニーカーを作ったのはケッズ?!
余談ですが、スニーカーの名付け親はケッズが付けたという話があります。ケッズの親会社での広告を担当した「ヘンリー・ネルソン・マッキンリー氏」が名付け親という話がありますが、、、
2010年の3月にはケッズ社が「スニーカーの名付け親」という広告をキャンペーンを行いましたが、「1887年にテニスシューズをスニーカーと呼ぶ学生がいる」という指摘から、キャッチコピーの広告はトーンダウン。
ケッズがスニーカーと名付けたかどうかは未だに謎に包まれたままです。
ケッズ・プロケッズの2度の撤退について…
ここまでケッズ・プロケッズの特徴や魅力についてご紹介してきましたが、ケッズ・プロケッズは2度撤退しています。次は二度の撤退の経緯や個人的に思う事をご紹介します。
ケッズ・プロケッズの人気がアメリカから日本に訪れたのは1970年代。
「東のケッズ、西のコンバース」というキャッチコピーと、コンバースとは一味違うアメリカンなスタイルは多くのスニーカー好きの心を動かしました。
しかしながら1980年代に、ナイキやアディダスなどの大手スポーツブランドから発売されている「ハイテクスニーカー」に押され、そのまま撤退。
その後、使いやすくカジュアルなローテクスニーカーの流行りが押し寄せた事で、コンバース・オールスター等のスニーカーが大きな注目を浴びたのです。
キャンバス系を中心としたローテクスニーカーが高い人気を獲得していく中、ケッズ・プロケッズに目をつけたのがイオン系の靴屋「ジーフット」です。
ジーフットは2015年1月9日にサブライセンスを締結し、2015年1月末にジーフットの靴屋ブランド「アスビー」等で販売が開始されました。
しかしながら2020年冬頃に定番モデルが投げ売りされ、2021年夏頃には近くの靴屋で見る事はなくなりました。
そこで店員さんに聞いてみたら、契約が切れて販売を終了したとの事。日本の公式サイトも閉鎖されおり、現在購入できるのは基本的には並行輸入品のみです。
コンバースを意識しすぎた!
一度目の撤退の時はハイテクスニーカーの大きな流行の波に推されてしまって仕方ない部分がありますが、今回はローテクスニーカーの人気が安定している中での撤退でした。
ですが一度目も二度目の撤退も共通して言える事は、「コンバース」を意識しすぎてしまったのが撤退の大きな理由ではないのかと思います。
実際に店員さんと話をしていて、撤退理由が「コンバースに負けてしまった」みたいな事を言っていました。
(引用:コンバース CONVERSE キャンバス オールスター CANVAS ALL S…)
長年、日本のキャンバススニーカーを牽引し続けたコンバースは、非常に日本の市場に深く根付いており、同じスタイルのキャンバススニーカーを発売しているケッズ・プロケッズのブランド価値はどうしても魅力が一枚落ちてしまいます。
私が勤めたいた靴屋でもケッズが一度投入された事があるのですが、あまり売れる事はありませんでした。(当時はキャンバスシューズの中では価格が高かったというのもありますが)
デザイン面ではコンバースのスニーカーと似ているといっても、ケッズやプロケッズの方がクラシカルな雰囲気が強く、コンバースのスニーカーとは違った魅力がありました。
またジーフットが独占してから定番のモデルはそこまで価格は高くなく、ブランドの価値からすれば手が出しやすいスニーカーだったと感じます。
しかしながら、ケッズ・プロケッズやコンバース・オールスターよりも安価な「ネクスター」の誕生によりライトな層が取り込めなくなった事、厚底スニーカーのブームで存在が薄くなってしまった事から厳しい状況だったのではないのでしょうか。
まとめると、日本で根付いたコンバースのブランド価値と真っ向勝負するのは非常に難しく、さらに厚底スニーカーのブームで状況が厳しくなり撤退してまったのではないのかと推測します。
ブランドの目の付け所は良かったとは思うのですがね。
ケッズ・プロケッズの定番スニーカーをご紹介。
最後にケッズ・プロケッズにはどの様な定番スニーカーを発売されているのかをご紹介して終わります。現在ケッズ・プロケッズは輸入モデルで購入するのが基本となっているので、価格は非常に高騰しています。
[ケッズ・チャンピオン]
(引用:【S】Keds(ケッズ) レディース Champion Oxfordチャンピオン…)
ケッズの定番スニーカーです。ド定番の「オリジナルキャンバス」や足元に変化を与える「オックスフォード」などが展開されています。
[プロケッズ・ロイヤルアメリカ]
(引用:[プロケッズ] ROYAL AMERICA HI(ロイヤルアメリカハイ) 547…)
ヴィンテージ感が強いプロケッズのド定番モデルです。魅力的なクラシカルなデザインは多くのアレンジモデルに派生されました。
ソールテープに採用された二本のラインが、ヴィンテージ感あるプロケッズスニーカーの良さを引き立たせています。