なぜ販売店に縛りがある靴が存在する?
こんにちは。元靴屋店員です。スニーカーブームが文化となり、世の中にはスニーカーを始め多くの靴が発売されています。
その中で販売店が限られている靴があるのはご存知でしょうか?ここではそんな販売店が限られている靴を3つご紹介しようと思います。
ではなぜ販売店が限られている靴が存在するのでしょうか。理由は主に2つです。
①靴屋がその靴を売る権利を独占しているから
②メーカー側がブランド価値を落とさない為に、靴屋を指定(限定)しているから
①の「靴屋がブランドを独占している」というのは、有名なところでいえば、ABCマートのヴァンズやホーキンスの事を指します。
特にABCマートは独占しているブランドが多く、ABCマートには魅力的な靴が多く存在します。
②の「メーカー側が靴屋を指定している」というのは、様々な靴屋や量販店で靴を販売すると、どうしても価格競争が始まり値下げが起きます。また、在庫を余した場合も値下げは行われます。
そうすると、靴のブランド価値が下がってしまい、長い目で見ると売りたい価格で売る事が難しくなるのです。
また今まで培ってきた歴史的価値を否定する事に繋がり、本当に良い靴が良い靴だと思われなくなりなくなっていく事にも繋がります。
こういったブランド価値の低下を防ぐ為に、メーカー側は地域で販売する事ができる販売店を制限している事があるのです。
それでは次から販売店に縛りがある靴を3つご紹介していきます!
販売店に縛りがある靴①:アシックス・オニツカタイガー
(引用:オニツカタイガー メキシコ66 ONITSUKA TIGER スニーカー メンズ…)
アシックスのカジュアルラインである「オニツカタイガー」。細身でスタイリッシュなデザインを採用し、アシックスの歴史的シューズをカジュアルラインで展開しているオニツカタイガーは、スポーツに興味がなくても多くの人が憧れるスニーカーです。
オニツカタイガーは地域で売れる店舗が非常に少なく、人口が少ない地域なら基本的に一店舗からしか購入ができません。
オニツカタイガーは「店舗縛り」ではなく「地域縛り」になり、どこで販売されているか分からない人もいるぐらい販売店を探すのが難しいブランド。
またこのオニツカタイガーの地域縛りはかなり徹底していて、オニツカを販売できない地域の靴屋が、オニツカをやっている他の地域から店間で商品を譲ってもらって販売しても、いつの間にか注意が入り取り扱っていないなんて事も。
ただ、オニツカはこの地域の縛りが非常に上手くいっているブランドで、オニツカの為なら価格を惜しまない人が多いです。
販売店に縛りがある靴②:コンバース・オールスター
(引用:【即納・全国送料無料】コンバース CONVERSE スニーカー ローカット キャ…)
コンバースの100年以上の歴史をもつ代表スニーカー「オールスター」。
100年前に完成されていたとも言われるオールスターのスタイルは、現在も形を殆んど変える事なく展開され続け「永久定番」とも言われています。
そんなコンバースのスニーカーの中で最も歴史的価値が高い「オールスター」ですが、魅力的なブランド価値と、比較的安い価格で購入できる事から、靴屋だけではなく多くの量販店で販売がされていました。
しかしながら、多くの小売店で販売された事により価格競争が激しくなり、定番なのに4千円代で販売される事も。
そこでコンバースはこれ以上オールスターのブランド価値を下げない為、2017年に量販店向けの「ネクスター」の販売を開始しました。
そのタイミングでオールスターの販売店は大きく縮小。スポーツ店や一部の靴屋は「ネクスター」を販売する事に。
ABCマートはオールスターを販売していますがネクスターの販売はなく、チヨダ系列は、オールスターの定番がなくなりネクスターの定番へ。スポットのオールスターの販売はありました。
基本的にオールスターかネクスターどちらかの販売になる様ですが、チヨダ系列の様に両方販売している店もあります。
販売店に縛りがある靴③:ダナー
(引用:【Danner】 ダナー MOUNTAIN PASS マウンテンパス 33269…)
最後はブーツの大人気ブランド「ダナー」をご紹介します。
アウトドアブーツの定番「ダナー」は、元々はブランド価値を落とさない為に地域のショップを限定して販売を行っておりました。
地域の縛りは恐らくオニツカタイガーと同等程度でしたが、オニツカタイガーと対照的に日本でのダナーはこの売り方に失敗したといえます。
その後ダナーを取り扱っている代理店が倒産(ダナージャパン)。
倒産後、独占販売に定評があるABCマートが日本での販売権を獲得した事により、ほぼ独占してダナーの靴を販売しています。
地域縛りからの靴屋縛りという黄金パターンを築き上げたダナー。ダナーの販売権をABCマート獲得した時、多くの人は「やっぱりな…」と思ったのではないのでしょうか。
販売に縛りがある靴はネットで購入した方が絶対におすすめ!
世の中には販売店が限定されている靴が多くあるのですが、こういった靴達ははっきりいってネットで購入した方が良いです。理由は、、、
①種類やサイズがネットの方が豊富
②店員さんが面倒くさい
③指定された店舗を探すのが面倒くさい
の3つの理由があります。
まず種類やサイズに関してですが、売る事が許可された店舗が大きければサイズも種類もあるのですが、小さいとそうはいきません。
また大きい店舗であってもネットの方が様々なショップを選べるので在庫数は圧倒的に上です。それに指定の店舗を探して出向くのも面倒ですし、それだったらネットでさっさと注文した方が良いです。
そして個人的にこれが一番の理由なのですが、売る事を許可された靴屋って「店員さんがめちゃくちゃ面倒」なんですよ。
指定の店舗の靴屋って大体シューフィッターという資格を持った人がいる店なので、グイグイ接客にきます。特定の魅力的な靴を販売しているABCマートも比較的グイグイきますし。
仕事なので仕方ないと思いますし、私も過去に靴屋で働いていた時はグイグイはいかなくても声掛けはしていたのですが…ぶっちゃけ圧を感じる事なく選びたい…
店舗を探すのも面倒ですし、指定の店舗での店員さんは嫌ですし、やはりこういった一部店舗でしか買えない靴はネットで購入するのが一番だと私は思います。