子供の靴のサイズ選びは「大きめ」ではなく「正しく」!子供の靴のサイズ選びで大きめを選んではいけない3つの理由!

子供の足の画像 キッズシューズの雑談

こんにちは。元靴屋店員です。靴屋店員時代の時、子供靴を買いに来たお母さん・お父さんを接客する際によく聞く「どうせ大きくなるから大きめの靴を…」という言葉。

お子さんの足の大きさの成長は非常に早く、経済面的に考えてもそう思ってしまうのは仕方がない事なのですが、この「大きめをのサイズを買う」と言う行為は非常に危険です。



また、こういった考えは日本の文化の中では深く根付いた悪い風習であり、「日本人の足型は幅広・甲高」と言われている原因の一つではないのではないのか?と私は思っております。

ではなぜ、子供の靴は「大きめ」を買ってはいけないのでしょうか?ここでは、子供の靴を大きめで買ってはいけない理由と、正しくお子さんの靴を履かせるためのコツをご紹介します。

①サイズが大きすぎると靴の中で足が遊び擦れて菌が浸入する

渓流で水遊びする子供(足元)の写真素材

大人の靴選びにも言える事なのですが、サイズが大きい靴を選び履き続けると、縦や横に足が擦れるので足の皮が薄くなり菌が浸入します。

大人に比べ子供は活発に動き回る為、より足の擦れと言うのが生じやすくなります。さらに、子供は汗の発汗も良いので、菌が浸入しやすい環境でもあるのです。

薄くなった部分から菌が浸入すると、血豆や水虫等の原因を引き起こし、病院に行く事になり…と、靴代より治療費の方が掛かる事も多くなるケースがあるのです。

②足の裏が擦れて痛くなり歩き方や走り方のバランスが崩れる

怒る姉と服をひっぱる妹(双子)の写真素材

足が擦れて痛くなると、人間は本能的に擦れている部分に触れない様になります。

特に歩き始めや活発な時期になってくると、歩く事や走る事に夢中になり歩き方や走り方のバランスが悪くなる事に繋がります。

子供の時は影響がでない事が多いのですが、将来的に体が歪んだりバランスが悪くなる事があります。

擦れて菌が浸入するだけではなく、体全体を慢性的に不健康にする事にも繋がる事もあり得るのです。



③足のアーチが崩れ不調の原因になる

むっちむちの赤ちゃんの両足の写真素材

人間の足の裏には体を支え得る為に3つのアーチが形成されています。

①内側縦アーチ…内側の縦方向に形成されるアーチです。衝撃を吸収をする等一番大きい重要なアーチ。

②外側縦アーチ…外側の縦方向に形成される小さなアーチです。体のバランスをサポート等の役割をもつアーチ。

③横アーチ…中足骨部に形成されるアーチ。衝撃吸収や足の形成を保つ等の役割をもつ重要なアーチ。

3点アーチが崩れるとクッション機能が働かず疲れやすくなったり、バランス感覚が悪くなる等の不調を引き起こします。

また「開帳足」というアーチが落ちた状態に陥り、外反母趾・内反小趾・偏平足を引き起こします。そうなると足と靴が擦れ痛みが取れなかったり重要な病気になる事もあります。

さらに足の形が変わると、重心が悪くなりますので、タコができたり巻き爪になったりします。

3点のアーチが崩れる原因は「大きな靴を履く事」「過度な運動をする事」等が考えられており、活発に動く子供にサイズが合っていない靴を履かせる事がいかに危険か分かるのではないのでしょうか。

また、3点アーチは3歳から形成され始めますので、アーチが形成される大事な子供の時期に大きい靴を履かせるのは、子供の将来の事を考えると本当に危険な行為なのです。

結局すぐにボロボロになるからと「大きめ」の靴を買うメリットは少ない…

原っぱを無邪気に走り回る小さい女の子の写真素材

子供の足は1年で約1.0cm成長すると言われております。靴のサイズの選び方は実寸+1.0cmが理想的と言われているので、ピッタリのサイズで合わせると1年ぐらいは履ける事になります。

ですが、活発に動く子供の時代において1年も靴が耐えれるのでしょうか。恐らく1年も靴を履く事は難しいと思います。

靴のジャストなサイズに追い付く前に履けなくなるので、大きめの靴を買うメリットは少ない…というよりほぼ無いと言えるのではないのでしょうか。




子供に靴を正しく履かせるコツは?

玄関に脱ぎっぱなしの子供の靴の写真素材

すぐ足が成長するからと言って大きめの靴を履かせると、様々な危険が降りかかる事をここではご説明しました。

最後に子供に正しく靴を履かせる3つのコツをご紹介します。

①実寸を測り正しいサイズで履く

ぴったりの靴の履き方は「実寸+1.0cm」と言われています。ですので、まずは子供の実寸をしっかり測る事をおすすめします。

子供の靴の規格は主に…

歩き始めのファーストシューズ(約12cm-13.5cm)

2歳~4歳ぐらいまでのベビーシューズ(約14.0-15.5cm)

5歳~10歳ぐらいまでのキッズシューズ(約16.0-21.0)

11歳~12歳ぐらいまでのジュニアシューズ(約21.5-25.0cm)

に別れておりますが、ファースト・ベビーぐらいまでの子供は足の形成がされていないので、殆んどのブランドの靴のサイズ感が大きめです。

ですので「ファースト」「ベビー」ぐらいの足の大きさなら、「実寸=靴のサイズ・実寸+0.5cm」で履かせるのがおすすめです。

キッズ・ジュニアの年代は、実寸+0.5cm~1.0cmがおすすめです。

②靴の素材にも気を配る

靴の素材によってはピッタリなサイズ選びをしていても足が擦れてしまう事があります。

メッシュ…発汗性能が良く足の馴染みが良い。スポーティな見た目になるのでデザイン性が良くなく、水が浸入しやすい。

キャンバス…豊富なカラー展開で高いデザイン性が魅力的な素材。足が擦れやすく運動には不向き。発汗性が良いが水も浸透しやすい。

合成革…デザイン性もよく水の侵入もある程度防ぎます。足馴染みも悪くなく運動靴にも採用されますが、汗を溜め込みやすいのが難点。

一つの靴で済ませるのではなく、2つぐらい購入し場面によって使い分ける事をおすすめします。



③子供靴に欲しい機能性を持っているか確認

ある程度のブランドの靴であれば、子供靴に必要な機能を持ち合わせているので問題ないとは思いますが、参考までに最低限欲しい機能をご説明します。

屈曲性…筋肉が少ない子供は、屈曲性がないとしっかりと地に足をつけて蹴り出す事ができません。また、人間本来の足の自然な運びを覚えさせる為にも屈曲性は非常に重要な機能といえます。

足先に少し余裕がある大きさ…足先は大きすぎるのも良くありませんが、若干の余裕を持たせた方が足の指を使って進もうとするので、蹴り出しに必要な筋肉の発達に繋がります。

発汗性…汗をかきやすい子供は汗をしっかり逃がす機能が備わっている靴がおすすめです。また防菌・洗えるインソール等、靴内の環境に配慮されたモデルならなおのことおすすめ。

フィット感がしっかりある…甲がしっかりフィットし、カカトがしっかり安定しているかも確認しましょう。

甲やかかとがしっかりフィットしていると、足と靴のズレが少なくなり、自然な歩行を促すので、足・脚の変形を防止します。

正しく靴を履かせれば将来有望になるかも…?

競技場を走る陸上選手の写真素材

昔聞いた話なのですが「日本のサッカー選手に決定力がないのは、大きな靴を履いて育ってきた為、足の使い方が不器用だから」という話を聞いた事があります。

真意については不明ですが。

もしその話が本当だとしたら、サッカーに限らず、実は才能があるのに、子供の頃の間違ったサイズの選び方がきっかけで、才能を開花できなかったという人もいたのかもしれません。

幼い頃の靴のサイズの選び方で体に大きな影響が出るわけですから、あながち間違いではないのかなとも思ってしまいます。

もしかしたら、将来有望なスポーツ選手を生み出す大きな一歩は「子供の頃の靴の正しいサイズ選び」にあるのかもしれませんね。

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